コラム

この記事では、コンテナオーケストレーションプラットフォームKubernetesを導入する効果について解説します。

Kubernetes（クバネティス）は、コンテナ化したアプリケーションの管理・デプロイ・スケーリングを自動化するオープンソースのプラットフォームです。
コンテナとは、アプリケーションを動作させるのに必要なライブラリやアプリケーションをひとつにまとめたもので、軽量で簡単に扱える仮想化技術です。Kubernetesは、このコンテナを効率よく管理できることから、コンテナオーケストレーションと呼ばれます。

Kubernetesを利用することで、リソースを最大限に活用してシステム効率向上できます。では、実際にどのような効果が得られるのでしょうか。

1.コンテナ運用管理の自動化

Kubernetesは、コンテナの作成・削除・リソースの割り当て・ネットワークやストレージとの連携などの作業を自動化して、コンテナのライフサイクルを自動化できます。これにより、インフラエンジニアは、コンテナの作成や削除、リソースの割り当て、ネットワークやストレージとの連携などの作業を簡単に行えます。例えば、Googleは、Kubernetesを使って、毎週20億個以上のコンテナを運用しています。

2.システム負荷の自動分散

Kubernetesは、アプリケーションへのトラフィックが増加している際には、自動的にトラフィックを分散させ、処理が偏らないようにします。Kubernetesは、アプリケーションへのトラフィックの量に応じて、コンテナの数を自動的に増減させることができます。これにより、アプリケーションは、ピーク時にも安定して動作し、リソースの無駄を減らします。

例えば、Spotifyは、Kubernetesを使って、毎月2億人以上のユーザーに音楽を提供しています。

3.アプリケーションを無停止で更新

Kubernetesは、ローリングアップデートという機能を使って、アプリケーションを無停止で更新することができます。これは、新しいバージョンのコンテナを少しずつデプロイしながら、古いバージョンのコンテナを少しずつ削除するという方法です。この方法では、アプリケーションのダウンタイムをゼロにできます。新しいアプリを立ち上げてネットワークの向き先を変えて古いアプリを終了する一連の動作をKubernetesが簡単にやってくれるのです。

4.アプリケーションの自動復旧

Kubernetesは、アプリケーションのヘルスチェックという機能を使って、コンテナの状態を監視することができます。もし、コンテナが停止したり、応答しなくなったりした場合、Kubernetesは、自動的にコンテナを再起動したり、別のノードに移動させたりすることができます。この方法では、アプリケーションの障害を最小限に抑えられます。

5.災害対策やシステム障害への対応力向上

Kubernetesは、複数のKubernetes環境間でコンテナをコピーさせたり退避させることができます。この機能を利用して、災害発生時に異なるKubernetesマネージドサービスにコンテナを移動させたり、クラウドサービスの障害時に、他社のクラウドサービスや自社のオンプレミス上のKubernetes環境にコンテナを移動させたりすることで、サービスの継続性を高めることができます。

6.システム可用性の向上と運用管理の効率化

Kubernetesは、アプリケーションのヘルスチェックや自動復旧、負荷分散などの機能を提供するため、アプリケーションの可用性を高めます。このおかげで、ソフトウェアの稼働時間を増加、デプロイの失敗率を減少させ、インシデント発生時の復元までの時間を短縮します。これは、システム運用管理の効率化と運用スタッフによる作業負荷の低減につながります。

例えば、Netflixは、Kubernetesを使って、毎日数千回のデプロイを行いながら、99.99%の可用性を達成しています。

7.サービス開発の期間を短縮

Kubernetesを使うと、新機能を追加し不具合をより迅速に修正できます。またアプリケーションの開発者は、コンテナの作成やデプロイの方法を統一できます。これにより、開発環境と本番環境の差異を減らし、デバッグやテストの時間を短縮できます。

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以上のように、Kubernetesはコンテナ化されたアプリケーションの開発と運用において、多くのメリットを提供するプラットフォームです。インフラエンジニア以外でも、Kubernetesの利用効果を理解することで、アプリケーションの品質やパフォーマンスを向上させることができるでしょう。

私たちが提供しているHexabaseも、Kubernetes上で動作しており、システム開発の効率化とシステム運用の安定性に貢献しています。

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