COLUMN
2021年11月02日
#レガシーシステム – 知ったかテックワード!君もIT博士
カテゴリー:知ったかテックワード
タグ:システム運用, システム開発, 基本用語
レガシー(Legacy)とは、英語で遺産という意味だけど、IT業界でレガシーシステムというと、時代遅れのテクノロジーを使用していて、保守性や拡張性が劣った情報システムのことを指す。
近年の東京オリンピックでは、価値のある遺産を残すって意味で「レガシー」という言葉が使われていたけど・・・IT業界の人間にとっては、過去の遺物って感じで、いい印象を受けないよね。
こうした古いシステムは、時代や環境の変化とかに合ってないから、次のような欠点があると言われている。
- コンピュータの性能が低く処理速度が遅い
- 保守や修理に莫大なコストがかかる
- 外部との連携が考慮されていない
- 古いテクノロジーを理解している人が少ない
ただし、新しく作り直すのも簡単ではない。ものすごくコストがかかるし、出来上がったシステムをちゃんと動くようにするのも手間がかかる。以前に完全に同じように動かすのも難しい。金融システムや基幹システムなんかだと、これは大きな問題になる。
まあ、いま動いているモノを作るかえるな、ってことだね。
時代遅れでメンテナンスできなくなったレガシーに関連して、次のような用語もある。
Excelレガシー:マイクロソフトの表計算ソフトExcelで、巨大なシート・複雑な計算式やマクロプログラムを作り込んで業務に使っていること。作った本人が会社を止めてしまって、誰にもメンテナンスできなくなっているが、それがないと業務が止まってしまうので、仕方なく使っている。
Notesレガシー:Notes(ノーツ)は、ロータス社が開発しIBMが提供していたクライアントサーバー型グループウェア。企業向けの電子メールや電子掲示板・文書データベース・ワークフローツールとして利用でき、オフィスに1人1台のパソコンが配備されるのに合わせて、1990年代から2000年代前半に大企業を中心に導入された。
オフィスの現場では、ノーツを使って業務に合わせて独自に掲示板や文書データベースを構築してきた。けど、現在ではバージョンアップに追従できずメンテナンスも手間がかかる状態になっているところが少なくない。これがNotesレガシーと揶揄されている。
Notesはオフィスの初期のデジタル化に大きく貢献したけれど、現在は足かせになっている状態なんだ。
レガシーマイグレーション:メインフレームやオフィスコンピュータなど、古いテクノロジーで作られた独自アーキテクチャのコンピュータシステムを当たらしいオープンシステムに乗り換えること。
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おまけのコント
ウサギ:今回、我々取材班は、廃墟と化したデータセンターに潜入した!
カエル:なんだか不気味な雰囲気。
ウサギ:極東にある謎の巨大コンピュータ「レガシーシステム」だ。
カエル:厖大なケーブルが這いずり回っているし、空調がブンブンうるさいね。
ウサギ:保守要員が何十人も住みついていて、何世代にも渡って保守運用してるらしいヨ。
カエル:大変だねェ。
ウサギ:そのために、周囲から多額の年貢を取り立てている。
カエル:それって、ちょっとひどくない?
ウサギ:しーっ、保守要員に聞かれたら、安定運用の生贄にされちゃうよ。
カエル:・・・で、何の役に立つの?
ウサギ:それは誰にも分らない。ドキュメントも残っていない。古代の秘密。
カエル:恐ろしい。