COLUMN
2021年10月02日
#システムリカバリー – 知ったかテックワード!君もIT博士
カテゴリー:知ったかテックワード
タグ:システム運用, システム開発
システムリカバリー(System Recovery)は、システムを以前の正常な状態に復旧・修復すること。
たとえば、昨日まで動いていたシステムが、なんらかの障害や故障の影響によってダウンしてしまった場合、システムを再起動したり、壊れてしまったデータをバックアップから復活させたりといった復旧作業をおこなう。これが「システムリカバリー」だよ。
リカバリーには、どのレベルでどこまで戻すかによって次のように色々なパターンがある。
- クリーンインストール:利用していたデータや設定の影響を受けないようOSやアプリケーションなどを新規インストールすること
- ディザスタリカバリー:災害発生時に遠隔地の冗長化システムに切り替えること
- レストア(Restore):バックアップしておいたデータを復元する作業
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また、リカバリーに関連する用語として、目標復旧時間(RTO:Recovery Time Objective)と目標復旧時点(RPO:Recovery Point Objective)という考え方がある。
- 目標復旧時間(RTO):あらかじめ決めておいたレベルまで復旧させるのにかかる時間の目標値
- 目標復旧時点(RPO):復旧するとき過去のどの時点まで戻すことを許容するかの目標値
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1週間に1度バックアップを取っているとすると、リカバリで最大1週間分のデータが失われることになる。1週間では長すぎる、つまり損失が大きすぎるとしたら、毎日バックアップを取れば、損失は最大1日分になる。
リカバリーは、やっつけ仕事ではなく、事前の計画と日頃の準備が重要だよ。どれくらいの間隔でバックアップを取るのか。取ったバックアップをどのような形式で、どのように保管するのか。もしもリカバリーが必要なら誰がどのように作業するのか。作業手順を整備しておかないと、イザというとき困ったことになるゾ。
絶対に壊れないシステムはないけれど、完璧なバックアップにも手間とコスト・体制が必要になる。闇雲に安全性・信頼性を高めようとするのではなく、そのシステムの重要性に見合った体制を整えよう。
おまけのコント
カエル:今日はシステムの調子が悪いなぁ。スピードもやたら遅いし。
ウサギ:ワレは白魔導士、どれ回復魔法をかけてやろう。
カエル:それシステムにも効くの?
ウサギ:汝がかけてほしいのは、初級魔法リカバリ、中級魔法リガバレ、上級魔法リガバリア。
さて、どれがいいかの?
カエル:じゃあ、とりあえず・・・リカバリで。
ウサギ:なんだ、本当にこれでいいのか?
カエル:いや一番、悪影響がなさそうだし。
ウサギ:ワシの能力を信じておらんのか!では、その効果を特とミヨ!それ、リカバリ!!!!
カエル:あれ・・・システムが・・・クリーンインストールされてる!
ウサギ:どうだ、ワシのすごさを思い知ったか。バックアップファイルから作業手順書まで消してやったゾ。
カエル:レストアしてくれヨ。
ウサギ:障害報告書を書く魔法「テンプレ」もあるゾ
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